さて、前々回は、効率の良い運動のために、伸筋を上手に使うコツを書きました。今回は、骨の使い方です。
人間の身体は、骨が関節でつながって構成されています。そして、骨には歩太さ、つまり「幅」があります。
・骨の対角線を意識する
軽く屈伸(スクワット)をして、その感触を覚えておいて下さい。
次に、ちょっとイメージします。「股関節の前と、膝の後ろを結んだ直線」と、「膝の後ろから、足首の前側を結ぶ線」を意識します。イラストに描いたオレンジ色のラインですね。
この二つの直線を意識して屈伸すると、イメージする前よりも伸ばすのが軽くなったと感じませんか?
骨の中心を通る線は、青のライン。オレンジのラインは、骨の中を通る対角線です。
青とオレンジを比較すると、体重をかける場所が変わることで、大腿骨を短く使うことになり、また関節の曲がり角度が緩やかになるので、力が入りやすくなります。
図ではわずかなようですが、この差は意外と大きいので、工夫すると楽しいです。
・治療にも役立つ、斜めづかい
八起堂の治療では、患者さんの関節を大きく動かします。その時に、斜めのラインを意識して使うことで、患者さんの力とぶつかることが減ったり、関節の連動に影響を与えることができたりと、治療でも有効だったりします。
興味のある方がいらしたときには、そんな説明もさせていただいてます。
古武術の技法には、一見不思議に見えるものがあります。そんな技法も、脳の情報処理と、物理学の観点から解説すると、意外にわかりやすいもの。 甲野先生の松聲館で学んだ技法をもとに、日々の患者さんへの施術で気づいたことなどをまとめてゆきます。
0 件のコメント:
コメントを投稿