体重を、両足均等に支えているところから動き出す場合。
最初の動き出しは、移動したい側の力を抜くことです。身体は支えを失って倒れてゆき、移動が始まります。
しかし、全身で倒れるのでは、この動作は遅くなってしまいます。
学校の掃除の時間に、ホウキを逆さまにして手のひらに立て、遊んだことはありませんか? あれは長いホウキだから簡単なので、短い棒(例えば金槌)ではうまくいきません。すぐに倒れてしまって、バランスが取りにくいからです。
長さが短いと、僅かに動くだけで、大きく傾くことができます。
例えば、長さ1.5メートルのホウキと、30センチの金槌があるとします。ホウキが30度まで傾くためには、ホウキの頭が80センチ動かなければなりません。しかし金槌が同じ傾きになるには、16センチ動くだけで十分です。
倒れる力は、傾きが大きいほどに大きくなるので(横方向の分力が大きくなる)、短い方が加速が早くなる理屈です。
倒れると言うよりも、腰が沈む感じ。「身体はまっすぐに」という、武術でよく聞くアドバイスは、このことを表したものかもしれません。
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