うねりは、身体を波打たせるようにして、力を伝える方法です。 ねじりが身体の弾力を利用しているのに対して、重量と加速の連動を伝達に使っています。大きな力を運ぶ有効な方法です。
ムチと同じように、体幹などの重い部分から、手先などの軽い部分に伝達することで速度が上がってゆくのもメリットです。
では、デメリットはなにか。
速度と振動方向を持つという、波の性質そのものです。
波の速度は伝達物質によって一定です。例えば音なら秒速340メートルで、あとから出た音が、前の音を追い越すことはありません。波が発生した時点で、到達の時間が決まってしまいます(人体の場合は、筋力を使うのである程度は調整が可能ですが)。
到達のタイミングが限定されるので、足や体幹で起こした力が拳に伝わる頃には、相手が移動していることもあるわけです。
また、波の振動方向は、一度決まれば変えられません。刀を右から振り下ろすつもりで身体をうねらせたら、そこから左に変えることはできないのです。
動き出したら止まらない。タイミングの難しさと、変化の難しさというデメリットがあるので、うねりは武術的に使いにくいのです。
余談ですが…。
この記事を書くために、久しぶりに身体をうねらせる使い方をしてみました。2,3回試したあと、もとに戻そうとしたら、一瞬、どう動いていいかわからなくなりかけました。
うねりの動きは、本能的に身体に染み付いているものなのだと実感した次第です。
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