人間は、受けている力に合わせて、自分の出す力の大きさを調節しています。
だから、自分から力を抜くことで、相手の力を抜くことができます。
といって、こちらが完全に脱力したのでは、何もできなくなってしまいます。そこで、力と脱力を同居させる方法の解説です。
・まずは、握らないこと
何かを動かそうとすれば、しっかり握る。普通なら当たり前のことですが、ここではそうなりません。握るというのは、相手にもっとも近いところで力むこと。力みが伝われば、相手は固くなります。
だから、基本的には握らない。たとえば手を持つ場合でも、包むように、添えるように持つ。そして、動かしたい方向に向けて押すことで操作します。
動かす方向を変える時には、持ち直すときに強い力がかかるのを避けるため、手の一点を中心に滑らせるように回すと、滑らかに変化させられます。
(図は、この説明ですが、わかりにくいかも…)
合気道などでは、これを使ってやわらかく技をかける感じ。
マッサージでも同じ。施術者が力むと、患者さんも力んでしまいます。肩こりを強く揉むと余計に筋肉が固くなって逆効果。かえって筋肉を傷つけてしまうので、こうした技法で動かすのがおすすめです。
古武術の技法には、一見不思議に見えるものがあります。そんな技法も、脳の情報処理と、物理学の観点から解説すると、意外にわかりやすいもの。 甲野先生の松聲館で学んだ技法をもとに、日々の患者さんへの施術で気づいたことなどをまとめてゆきます。
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